京都第一の強みと実績
裁判所の証拠保全手続でタイムカードを取得し、残業代を支払わせた事案
- 担当弁護士
- 大河原 壽貴
野菜や果物などの卸売りや小売をしている商店で勤務していた労働者。青果を取り扱うため、市場との関係で朝5時30分が出勤時間とされており、概ね夕方4時30分から5時ころに勤務が終わるまで、毎日10時間をこえる勤務を月曜から土曜まで行っていました。ところが、給与明細を見ても、毎月、時間外手当名目で支払われていたのは2万円から2万8000円程度で、これはおかしいと思い、その勤務先を退職した後で相談に来られました。
その労働者は、直近のタイムカードだけはデジタルカメラで撮影して記録を残していましたが、それ以前のタイムカードについては手元にありませんでした。そのため、裁判所による証拠保全手続でタイムカードを取得することになりました。
裁判所の証拠保全手続を行うと、裁判官が現場に行く数時間前に証拠保全に来ることが告知されます。そのため、告知された後でタイムカードを破棄したり改ざんしたりすることは極めて難しくなります。今回も、タイムカードに記載されている出退勤時間をそのままデジタルカメラで撮影して、記録をとることができました。このタイムカードの記録を元にして残業代を算出し、勤務先に請求したところ、残業代110万円余りを支払わせることができました。